日本には季節を表す
美しい言葉がたくさんありますね。

秋を表すものに
「秋涼の候」というものがあります。

かしこまった手紙やお礼状などに使いますが、
いつ頃まで使う言葉なのでしょうか？

使う時に困ったを解決します！
「秋涼の候」を詳しく解説しましょう。

秋涼の候の時期はいつからいつまで？

「秋涼の候（しゅうりょうのこう）」と読みますが、

夏の暑さも過ぎ、朝や夕方頃に
秋の気配を感じる涼しくなった頃に使います。

陰暦8月の異称であり、現在の9月～10月の
時候の挨拶にありますが、

主に10月に使うのが一般的です。

はっきりとした時期に決まりがなく、
体感で感じ暦の上での秋、

いわゆる「立秋」を過ぎ
秋が深まる前が頃合いといった感じです。

立秋の意味は？時期はいつからいつまで？

二十四節気の「秋分」が毎年8月7日頃ですので、
それ以降から冬に暦が変わる「立冬」
11月7日の前日までが秋ということになります。

つまり、9月下旬から10月初旬あたりが
頃合いという事になりそうです。

秋分の日の日にちが変わるのはなぜ？

秋涼の候の意味や由来は？季語として使うときは？

由来などははっきりしていませんが、
時期がはっきりしていない「今」を表す言葉は多くあります。

「秋涼の候」の「候」にいたっても、
今まさにこの時期という意味を持ちますので、

暦の上での秋に使うには、漢字の意味からも
体感温度的にも違和感がありますね。

9月下旬から10月初旬あたりは
秋に入る頃ではありますが、

昨今の異常気象や地域によって
気温の差もあり、まだまだ残暑厳しい頃に

秋の涼しさを感じる時期という意味の
「秋涼の候」は不適切と言えます。

季語にも「秋涼」や「秋涼の候」というのがあり、
こちらは9月に使うとしています。

俳句などで使う季語にはルールがあり、
「秋涼」を使う場合は9月にのみ使います。

10月になると「仲秋」や「紅葉」「清秋」「秋冷」など
さらに深まった秋を表現する言葉が多くなります。

秋涼の候を使った文例や結びは？

「秋涼の候」は時候の挨拶といい、

目上の方への文やお礼状、ビジネス文書などといった
かしこまった文章の冒頭に使う季節の挨拶です。

いわゆる
「秋らしく涼しさを感じる季節になりましたね」
という意味で「秋涼の候」を使いますが、

ビジネスなどで使用する場合は、

「秋涼の候、ますますご健勝のほどお慶び申し上げます。」
「秋涼の候、皆様ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」

などといった使い方をします。

個人的な文章には、

「秋涼の候、皆様いかがお過ごしでしょうか」
「秋涼を感じる時期となり、空も高く感じて参りました」

などとはじめるとスムーズです。

また、時候の挨拶を使った文章の締めには
「結び」が必要になります。

相手の身体を労る言葉でしめるものですが、

「季節の変り目どうかご自愛下さい」や、
「朝晩涼しくなりました、どうぞ風邪など召しませぬ様お気をつけ下さい」

といった言葉で結んで文章を閉じます。