雲の形はたくさんあり見ていて飽きないですが、
かなとこ雲というものはご存知ですか？

かなとこ雲ができると天気が崩れるなど
言われてたりするけど、その理由は？

雨など天気の崩れのサインと言われている
気になるかなとこ雲について今回はお伝えしていきます。

かなとこ雲とは、積乱雲とは違うの？発生条件は？

かなとこ雲は、発達した積乱雲の上部が
左右に広がった形の雲のことを言います。

金属加工の際に使用される作業台の
「金床」に形が似ていることから、
名付けられたとされています。

その他にも、形から「朝顔雲」とも呼ばれています。

かなとこ雲という言葉は聞きなれなくとも、
「積乱雲」は聞いたことがありますよね。

夏の暑い日など、地面が日光で
暑くなっている一方、

雲の中に冷たい空気が入ってくると、
地面と上空の温度に差が出ます。

この温度差が大きい時、
つまり大気の状態が不安定な時に
積乱雲は発生するのです。

積乱雲は強い上昇気流に乗って、
上へ上へと発達していきます。

高度10km前後の所には
「対流圏界面」というものが存在していて、

この「対流圏界面」は、対流圏と成層圏の境目になります。

これは、雲にとっては壁のような存在に
なってしまうので、どんなに発達した
大きな積乱雲でも、これを突破することは出来ません。

これにより、上昇気流は上に行けず、
横へと広がり、かなとこ雲が出来るのです。

積乱雲が発達したものが、かなとこ雲という訳です。

かなとこ雲は、天気の崩れるサイン？！

天気のことわざはご存知ですか？

「猫が顔を洗ったら雨」や

「雲が速く動く時は天気が悪くなる」
などは聞いたことがあると思います。

実際に、雲の様子を見て、
天気を予想することもありますよね。

そのことわざの中に、
「かなとこ雲はおそろしい」というものがあります。

かなとこ雲が発生した際に天気図を
確認してみると、寒冷戦線がなければ
問題なく、ただ強い雨が降るだけです。

しかし、寒冷前線がある場合は、
雨だけでなく、雷・雹、風を伴うことがあります。

ですので、「かなとこ雲はおそろしい」と言われているのです。

スーパーセルや竜巻ができる前にもかなとこ雲が！？

「かなとこ雲はおそろしい」と言われる
理由は他にもあるのです。

「スーパーセル」という言葉は
聞いたことがありますか？

「スーパーセル」は、通常の積乱雲の
数倍から数十倍に発達した、巨大積乱雲のことで、
回転する上昇気流を伴っていることが特徴です。

この回転している上昇気流が
激しい雨、雹や霰、突風などの他に、

竜巻を発生させることがあるのです。

ここ近年で関東でも報告されている竜巻の原因は、
このスーパーセルだと言われています。

スーパーセルの近くに、かなとこ雲が
発生していることもあり、竜巻が起こる前に、
かなとこ雲を見たという人も少なくありません。

ですので、かなとこ雲を発見した場合には、
天気の急変を予測し、注意が必要なのです。

夏の突然の雨には困ったものですが、
雲を見れば予想出来るものなのですね。

今年の夏は雲に注目して、急な天候の変化に対応しましょう。