時候の挨拶や俳句など
日本では季節を表す言葉が多くあります。
使い方がなんとなく難しく
その使うに至って、
二十四節気や季語、雑節など
色々とありすぎて迷うところです。
そんな使い方が難しい言葉の中で
今回は「軽暑(けいしょ)の候」を取り上げて
解説したいと思います。
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軽暑の候とは?その意味や由来は?
細かな季節を捉えた言葉は本当に数多く、
どれを使うのがよいのだろう?
と頭を抱えることもあります。
調べると差もありながら
古くの季節と現在の季節が異なることも
多くあるのでさらに混乱を招きます。
一般的に「軽暑の候」の
”軽暑”とは、春の言葉に分類されています。
しかし春といえば「春分」
まだ暑さというよりも冬の厳しさの
延長線でもある季節と思います。
意味としては、
軽く夏を感じ吹く風もどこか夏めいた
うっすらと汗ばむ様な時期を言います。
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軽暑の候を時期はいつからいつまで?
春に限らず春夏秋冬それぞれ、
3つに分けて考えられるのですが、
春に至っては「初春・仲春・晩春」と分けられ、
二十四節気で分けられる場合には、
仲春・・・旧暦2月、啓蟄~清明の前日まで
晩春・・・旧暦3月、清明~立夏の前日まで
これを「三春」といいます。
実際には立春と啓蟄の間に
雨水(2月19日頃)があります。
現在の暦に変えると、
啓蟄~清明前日:3月6日頃~4月4日頃
清明~立夏前日:4月5日頃~5月4日頃
ここで最も「軽暑」が使えるとなると、
晩春である4月5日頃~5月4日頃が頃合いでしょう。
しかし季語としての「軽夏」は5月に含まれ、
同じく”晩春”も5月の季語にあり、
同じ時期を指す言葉でもあるので、
5月初旬それも暦の上で夏に変わる立夏の前までと
とても短い期間にだけ当てはめられる様な気もします。
季語は古く季節を先駆けているという
部分もあり、その月の中でそう思う場合には、
時期は決めずに例えば、5月中に
ちょっと夏っぽさを感じて来たな
・・・と思った時には使ってもよいのでは?
という声もあります。
実際手紙の書き方などでも、
5月下旬から梅雨開け前までに
使うとしているところもあります。
実際、蒸し暑いなと感じるのも
ちょうどこの頃ではないですか?
軽暑の候を使った時候の挨拶の文例は?
軽暑の候など時候の挨拶は、
お知らせやお礼状、かしこまった手紙や
ビジネスなどで「~の候」を使うと思います。
身近な方であれば少し堅苦しさも感じるので、
季語としてもう少し柔らかく使う方が
好ましいといえます。
・軽暑の候、日1日と夏らしく
新緑の色が増す季節となりましたが
皆様お元気にお過ごしのことと存じます。
・軽暑の候、時下ますます
ご清栄のこととお慶び申し上げます。
・若葉の薫る季節、気候も軽暑となり
少しずつ夏の足音が聞こえて参りました。
といった様な使い方はいかがでしょうか?
決まってこの言葉を使わなければならない
といった厳密なものはありません。
同じ時期に使われる他の季語など含めて
使って見てもよいと思います。