「○○の候~」とかしこまった文書に
使う時候の挨拶。
日本では古くから使われていて、
季節や天候に合わせた季節感を表す言葉を
頭語の後に続ける礼儀文の1つです。
季節、さらには細かな気温や状況に応じ
様々な時候がありますが、
今回はその中の1つ
「仲春の候」について解説します。
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仲春の候とは?どんな意味?いつの時期に使うの?
「仲春の候」読み方は「ちゅうしゅんのこう」といい、
他に葉「ちゅうしゅんのみぎり」ともいいます。
意味は「春3ヶ月の真ん中」という意味です。
春は旧暦と新暦の関係で、
”3・4・5月”を指しますが、
暦の上では立春(2月4日頃)から
立夏(5月6日頃)の前日までを「春」とし、
さらに分けると二十四節気の中の
春の真ん中ということでも、
”仲春”を使う時期は『啓蟄~清明の前日まで』に
使う言葉であると解ります。
・立春(2月4日頃~)
・雨水(2月19日頃~)
仲春
・啓蟄(3月6日頃~)
・春分(3月21日頃~)
晩春
・清明(4月5日頃~)
・穀雨(4月20日頃~)
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時候の挨拶を使うときのマナーは?
時候の挨拶は冒頭でもお話した通りで、
現在では、かしこまった文書に使われています。
ビジネス文書では略化して、
「時下」を使う事があります。
「拝啓 時下ますますご清祥のことと・・・」
季節を問わず使える時候の挨拶として、
「時下=このところ・今現在」を使う事もあります。
しかし「時下」は相手が明らかに
自分よりも目下の場合にのみ使う言葉ですので、
そうともなるとあまり使う事をしない方が
無難であると考えます。
次に時候の挨拶に続いて相手を気遣う言葉と続きます。
その中に「益々ご清祥のことと」
と続ける方も散見します。
この「ご清祥」とは、
”慎ましく清らかな暮らし”という意味になり、
意味を考えるととても失礼にあたる言葉です。
他に「ご健勝」なども差し障りなさそうに思いますが、
お相手が病気の場合には不向きとしています。
時候の挨拶は多少気象状況などでズレが生じたとしても、
続く文書が的外れであるとすべてが台無しになります。
仲春の候の使い方は?一緒に使える季語や例文は?
「仲春」の意味が解ったら、
続いて相手を気遣う内容、そして本題へと進みます。
時候の挨拶で文書を作る時には、
「拝啓」で書き始め「敬具」で終わるという
マナーがありますのでご注意ください。
・仲春の候、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
・仲春の候、皆様いかがお過ごしでしょうか。
また、「仲春の候」を使いつつも
季語を取り合わせる方法もあります。
仲春の候、桜の莟も開き始め、
めっきり春らしくなりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
3月下旬~4月上旬は
ちょうど桜の開花も始まる時期、
季語としてその時期に合った植物の
状況や気候・天気といった事から
それらを「季語」として
文書に取り入れる方法があります。