時候の挨拶文を学びましょう。
「陽春の候」とはどの様に使用しますか?
「陽春の候」(ようしゅんのこう)は
ビジネスメールなどの手紙を書く際に
挨拶文として文章の冒頭に使われる
時候の挨拶の1つです。
意味や由来、例文などを学んで
陽春の候を使用した
上品な手紙を書けるようになりましょう。
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陽春の候とはどんな意味??
春の陽気に満ちた気候、気温もぽかぽか
陽気になった温かい春と言う意味です。
漢字からもなんとなく雰囲気が伝わってくるでしょうか?
言葉を分別しての意味では、
「陽春」は陽気のみちた暖かい春。
「候」は季候、時候という意味です。
「候」の元は古い中国の暦の
1年を360日として72等分した
各5日間の称から由来しています。
陽春の候の言葉の由来はどこから?
「陽春の候」に用いられている「陽春」は
元々、陰暦カレンダーでの正月、
睦月(むつき)を示す異称です。
今現代の西暦(グレゴリオ暦)の季節に当たる
2月上旬~3月上旬を示しているのが1つです。
上記にお話ししたように
陽気のみちた暖かい春という意味で
季語として時候の挨拶のフレーズとして使用されています。
つまり、上記の言葉の意味に由来して
「暖かい春の日々が満ちた時期になりました。」
と示す挨拶文の冒頭に使われるのです。
ちなみに季語とは
日本文学の連歌、俳諧、俳句の中で用いられる
特定の季節を表現する言葉のことです。
季語が連歌や俳句のなかで
その歌の歌われている特定の季節の雰囲気・感覚を
読者の心に繊細に伝達するために用いられたように、
季語を含まれた時候の挨拶でも手紙の受取人が
読んでその季節を感じさせられるように・・・
と使用されるのが季節の挨拶です。
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陽春の候を使用できる時期いつからいつまで?例文は?
例文としては以下に幾つかまとめました。
・陽春の候、貴社におかれましては
益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
・陽春の候、貴社ますます
ご盛栄のこととお喜び申し上げます。
・陽春の候、ご子息様が社会人として
スタートされたのことですが、本当におめでとうございます。
時候の挨拶はその時期の季節感や
実際の感覚を表わした季節の挨拶です。
「陽春の候」の場合は暖かさに満ちた春ですから、
日本での気候上に伴った春の季節は
3~5月とすると春の季節に満ちた期間は
真ん中の月、4月になりますので、
使用できる時期としては4月上旬~下旬までの
4月いっぱいを参考にしてください。
ちなみにこの時期に「陽春の候」と
共に用いられる季語の一部としては以下の通りです。
桜、山桜、八重桜、花水木、ライラック、
躑躅(つつじ)、ユキヤナギ、藤、やまぶき、桃の花
・時候
春の日、春暁(しゅんぎょう)、春の夜、
おぼろ月夜、春の暮れ
・天文
春の山、春の野、春潮
・生活
春服(しゅんぷく)、春外套(はるがいとう)、
フキ味噌、木の芽味噌
・行事
春祭り、開帳(かいちょう)、遍路(へんろ)
・動物
春の鹿、亀鳴く、蛙(かわず)春の鳥、雉(きじ)、
百千鳥(ももちどり)、鶯(うぐいす)、雲雀(ひばり)
単に手紙を書くだけではなく、
季節を意識して季語や時候の挨拶を取り入れることで、
手紙自体の内容が上回るだけでなく、
読み手の方にもより読んでいく楽しさが
増えていくことかと思われます。
また、4月の挨拶として
・春陽の候(しゅんようのこう)
・春暖の候(しゅんだんのこう)
・桜花の候(おうかのこう)
・惜春の候(せきしゅんのこう)
など出てきますが、
多少のニュアンスをここで紹介しておきます。
春陽の候(しゅんようのこう)
春陽の意味は春の日差しですので、
春の日差しを感じられる時期ということです。
「陽春の候」と類似していますが、
言葉の意味から伝わってくるニュアンスを考慮すると
「春陽の候」は時期としては春の暖かさが満ちる以前の
3月中旬~下旬ぐらいが適していると思われます。
春暖の候(しゅんだんのこう)
春暖の意味は春の暖かい時期を示しますが、
時期的には3月に使用されることが多いです。
桜花の候(おうかのこう)
文字通りの桜の花が美しく咲き栄えている様子の意味で、
時期としては桜の花が咲く
3月下旬~4月上旬・中旬頃が適しています。
惜春の候(せきしゅんのこう)
惜春とは春ももう終わりに近づいて
惜しみ感じる時期という意味ですので、
時期的には5月に入ってから
用いられることがほとんどです。
これ以外にも数々の時候の挨拶があり、
その上、季語は5000語以上の言葉があります。
日常、スマートフォンやメールなどに頼ってしまうため、
実際なところ、ペンを手にして
手紙を書くことも少なくありますが、
ビジネスメールだけではなく、個人のメールなどにも、
時候の挨拶や季語を使用して、
改めて日本文学の美しさを実感してみてはいかがでしょうか?