目には見えない光線ですが、
ぽかぽかと温かい温熱作用で
治療に使われる遠赤外線。
いったいどんな効果があるのでしょうか?
遠赤外線の治療効果のついて調べてみました。
Sponsored Links
遠赤外線とは健康にどのような効果をもたらすの?
光をプリズムというガラスに当てると、
七色の光がみえますね。
紫が一番波長が短く、
赤が一番波長が長いのですが、
太陽光線には、
これらの目に感じる光の他にも、
紫色より波長が短い紫外線、
赤色より波長が長い赤外線が含まれています。
遠赤外線を使用した温熱治療器には、
身体の芯まで温めて、肩こり・腰痛に効き目があり、
筋肉の疲れを取ったり胃腸の動きを活発にする効果があります。
これは遠赤外線の
「物を温めるのに優れている性質」を利用したものです。
遠赤外線が発する波長(周波数)と、
人の分子の振動(格子振動)波長は一致するので、
他の光に比べて遠赤外線は
人を分子を活性化させ、体感温度を上げます。
しかし、遠赤外線は、物質の表面に吸収されるので、
内部から温めることはありません。
表面からの熱伝導によって内部へ熱が伝わります。
だいたい皮膚の2㎛(マイクロメートル)の深さで吸収されて、
その後じわじわと身体の芯まで温めていくイメージです。
なので、遠赤外線は、身体の中まで届いて
治療に効果を発揮しているのではなく、
あくまでも「温熱効果が期待できる」というものです。
遠赤外線を吸収しやすい物質の代表は
セラミックスで、治療器にも使われています。
Sponsored Links
がん治療にも遠赤外線は効果がある!?
がんの治療機器に遠赤外線が使われていますが、
これは赤外線に温める効果があるからで、
殺菌効果でがん細胞を死滅させているわけではありません。
先述の通り、遠赤外線は
身体の表面までしか伝わらないので、
遠赤外線によるがん治療は、
乳がん・頭頚部がん・前立腺がんなど、
身体の表面に近い部分のがん細胞を
死滅させるのには効果があります。
(がん細胞は42℃以上で死滅します)
一方、内臓にできた
がん細胞には効果がありません。
しかし赤外線で身体全体を温めることは、
体温を上げて免疫力を上げ、
がんの転移を抑える効果が期待できますし、
血流がよくなることで薬剤の細胞内への取り込みが良くなり、
抗がん剤の効き目がよくなることも期待できます。
また、間脳を刺激して
エンドルフィン(自分用モルヒネ)の分泌を
よくするので、痛みが緩和されます。
遠赤外線に似た注目の治療方法がある・・・
赤外線には、遠赤外線のほかに
近赤外線があります。
近赤外線は、プリズムで見える
赤い波長と遠赤外線の間にあります。
この近赤外線は、遠赤外線に比べて
皮膚の内部までとどく性質を持っています。
現在では銀行の静脈認証や
脳活動の様子を調べる機器、
赤外線カメラや携帯の赤外線通信、リモコン、
食品の成分測定器などに使われています。
この近赤外線が、
最近がん治療に画期的な治療法を
もたらすことが期待されています。
マウスでの実験で効果が実証され、
現在治験の段階のようです。
画期的な治療法になるかもしれないので、
早期の実用化が望まれます。