”二百十日(にひゃくとおか)”
という言葉はご存知でしょうか?
あまり聞き慣れない言葉かも知れません。
古くから伝えられているもので、
まれにTVなどで耳にすることもあります。
では、どんな意味なのか?
二百十日の意味について解説していきましょう。
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二百十日とはどんな意味?その由来は?
二百十日(にひゃくとおか)は、
節分や彼岸、八十八夜や入梅、
半夏生などといった”雑節”の1つで、
古く季節の移り変わりを
なお的確に掴む為に設けられた暦日です。
立春(2月4日頃)から数えて210日目をいい、
現在では9月1日頃になります。
稲穂の開花時期であり、
今後の稲の成長に最も大切な時期であるため、
”台風を警戒する日”という意味を持っています。
また、古く「八朔(はっさく)」や
「二百二十日」と並び
”三大厄日”とも言われていました。
厄日は別に不幸が起こるという意味合いではなく、
「荒れ日」を指していいます。
由来は徳川幕府の暦編纂係 ”渋川春海” が
品川の漁師に習い作成したとされています。
春海は釣り好きで
品川の沖へ舟を出そうとしていたところ、
年老いた漁師に「午後から海が荒れる」と告げられ
その通りその日の午後は大暴風雨になったそう。
その後、春海は気象の研究に励み
「貞享暦(1684年)」を編纂した際に
この「二百十日」を記載した様です。
ただ、気象はその時々で変わりますし、
現代では異常気象で秋以外にも台風は来るので、
「二百十日」という言葉を
耳にしなくなったのかもしれませんね。
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二百十日の時期に行われるお祭りがある!?
二百十日は台風が来る日とされ、
奈良県の大和神社では二百十日の
3日前に開催される「風鎮祭」が行われ、
富山県富山市では「おわら風の盆」といった
風を鎮める意味のお祭りが
日本全国各地で行われています。
強風雨などが吹けば収穫が減ってしまい、
生活にも大きな打撃を受けるため、
風の神様を鎮めるお祭りを行う信仰が
現代でも受け継がれ根強く残っています。
文学で見る二百十日と防災の日と関連は?
文学の中にも「二百十日」が
出て来るものがあります。
・夏目漱石「二百十日」※1906年
・宮沢賢治「風の又三郎」※1934年
どちらも二百十日は9月1日の様で、
9月2日が二百十日にあたる日は、
旧暦から現在の新暦に切り替わった以降、
1902年~1951年の間にしか現れていない様です。
次に現れるのは2203年で、
現在は平年であれば9月1日、閏年は8月31日。
つまり今年2015年の二百十日は「9月1日」です。
この日は「防災の日」としても有名ですが、
二百十日と深く関連しています。
防災の日を制定したのは
昭和35年6月11日ですが、
関東大震災の発生した日が9月1日、
伊勢湾台風が起きたのが昭和34年9月26日と、
古くから暦で言われて来た厄日であるという事や、
9月は強風や雨、大型地震などといった
気象で大きな災害が起きていた事もあり、
9月1日を起点とし1週間を防災週間と定めたのだそうです。