秋はそれまで暑かった夏とは違い、
涼しくもなるので心も少し穏やかとなり、
なんとなく季節の情緒を楽しめる季節。
その静かに秋から冬へと季節が移ろう情景を
言葉に変えた時候の挨拶、深秋の候。
あまり普段使う事は少ないですが、
かしこまった文書を書く際に用いります。
この深秋の候を使う時期や読み方、
同じ時期に使われる時候の挨拶との違いについて
ご紹介したいと思います。
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深秋の候の読み方!その意味とは?
深秋の候の読み方は、
・しんしゅうのこう
・しんしゅうのみぎり
といった読み方をします。
候を”こう”や”みぎり”と読むには意味があり、
古くは「~でございます」という意味合いとして
「候(そうろう)」と文にしたためていました。
現在ではそう読む事も少なく、「こう」と読む事が一般的ですが、
「みぎり」については女性言葉から来ているといいます。
時候の挨拶で使われる意味としては、
「~といった季節になりました」という
今の季節を現している言葉です。
深秋は秋も深まりをみせる時期を意味しています。
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深秋の候を使う時期はいつ?同じ時期に使う時候の挨拶との違いは?
秋が深まって来る時期を指す深秋の候
使う時期は現代の気象状況と昔の季節感とは
ややズレが生じる様にも思います。
季節を24に分けて現した二十四節気を目安にすると、
10月23日頃である霜降の時期から、
冬の始まりである11月7日頃の立冬の前日までを
目安に使用すると丁度よいとされています。
つまり深秋の候を使う時期は
10月下旬~11月初旬
とはいえ現在の気候では11月中旬まで使う事も。
手紙を送る相手の土地の気候にも合わせて使うので
実際の使用期間が明確ではない事も多くあります。
また、同じ時期に使用される晩秋(ばんしゅう)や
暮秋(ぼしゅう)も秋の終わりといった意味があります。
これらを10月下旬から立冬前まで使う事も間違いではありません。
時候の挨拶は、季節の変化をより細かく現しているので
ある意味とても情緒のある言葉だと思います。
深秋の候の使い方や例文
時候の挨拶は、その季節に相応しい季節感を表す言葉で、
頭語の後に続ける季節の挨拶です。
頭語には拝啓を用いります。
これは文章でいうところのお辞儀になり、
他にも謹啓という頭語などもあります。
ビジネス向きの時候の挨拶
・拝啓 深秋の候、貴社ますますご清栄の事とお慶び申し上げます。
・拝啓 深秋の候、貴社ますますのご繁栄の事とお慶び申し上げます。
個人向きの時候の挨拶
・拝啓 深秋の候、朝晩の気温も冷たく感じられる様になり、
いかがお過ごしでしょうか。
・拝啓 深秋の候、風の冷たさを感じる季節になりましたが、
いかがお過ごしでしょうか。
親しい方へは堅さを感じられてしまうので、
深秋の候と使うよりもありのままの季節の言葉で
手紙をかき出した方がよさそうです。